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雛人形あれこれ その2

 秋の移ろいを味わう間もなく、冬の足音が聞こえる季節となりました。
 このところ穏やかな気候が続いており、里山や都心の紅葉は例年よりも長く
 楽しめそうとのこと。皆様、お変わりございませんか。

 「外灯を透けて儚し柿紅葉」  脩巳

 厚手でつややかな柿の紅葉は、かえでやもみじと比べ重厚で力強ささえ
 感じさせます。
 外灯の側の柿の木の葉は、夜、灯りを透かして紅に浮かび上がります。
 落葉が近づくに連れて、透かし具合のあでやかさも増していくような…

 「掃き寄せて焚くをためらう柿落葉」 脩巳

 子供の頃きれいに紅葉した柿落葉を拾っては、水に浸してながめたり、
 本に挟んでみたり。
 その美しさはつかの間のものとわかっているのですが、それでも捨て難いのです。

 さて、今回の私の作品ギャラリーは、前回に引き続き「与左右衛門雛」を3組
 ご紹介致しましょう。

    その1 水戸の姪の立雛

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    高さ28~33センチ。顔は胡粉仕立て、髪は岩絵具の天然焼緑青。
    衣装は帯地と帯〆使用。男雛の冠は皮革作り、女雛の髪飾りはビーズ仕立て。
 
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    桜、橘は高さ14~15センチ、径8センチ。
    共につまみ細工で球形を作り、大小の丸ビーズで各々実と花芯を表現。
    ぼんぼりは32~33センチ。内側金箔の和紙仕上げ。

     DSCN0217_convert_20121125031613.jpg
    観音開きの金地彩色屏風。全開で高さ45センチ、長さ80センチ。
    純金箔地に花と川を描き、天上は緑青。中央に家紋入り。

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    雛飾りを設えた所。台は二段仕立てで黒塗り、縁は赤。

    その2 友人所有の蛤雛

    DSCN1784_convert_20121125111231.jpg 
    高さ10~13センチ。
    大きな蛤に絹地を着せながら包み、成形していく手法です。
    最終着衣は帯地や金襴の衣装。顔は胡粉、髪は正絹すが糸仕立て。
    両袂は襟に合わせて絹地を別々に重ね、ふくらみ、曲面を作りながら、
    袂の重なりがズレないようにしっかり作るのがコツ。
    結構手先の力を要するので、一組作り上げると両手に力が入らなくなるほど。
    まぁ、そのくらい人形に魂を込めている訳です?!

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    屏風ではなく衝立。春をイメージして明るく装飾的な日本画仕立て。
    衝立を黒塗りの台に差し込む組み立て式。
    
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    段になった緋毛氈の下は桐の箱で、雛飾り一式をコンパクトに収納できます。
    下段には、他の人形や花、菱餅、白酒など飾って、演出して楽しんで
    いただければと思います。

    その3 友人の日本料理店所有「福猫」雛

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 毎年雛の節句が近づくとお店の入口の棚に鎮座し、お客様をお迎えしております。
 もちろんお店はいつも千客万来。
 西武新宿線の上石神井駅から徒歩3分、季節料理「まつ」がそのお店です。
 確かな腕を持つ人柄の良い板さんと、すらっとした色白美人のおかみさんが迎えて
 くれます。
 日本料理の基礎から修行し板前暦40年以上の腕前を、リーズナブルなお値段で
 楽しめます。 ぜひ一度ご賞味あれ。
 店内には私の「日本画」も季節ごとに掛けてあります。

 ではまた次回。感想などお待ちしております。

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雛人形あれこれ

 日一日と秋の深まりを感じる今日この頃です。
 そんな秋の一場面を懐しく思い出して2句ほど。

 「故郷の野菊の道はどこへやら」  脩巳

 最近あまり目にしなくなった野菊。
 里山のウォーキングで久しぶりに見つけ、思わず摘んで帰った次第。
 そういえば、生まれ故郷の新潟にも同じような光景があったことを
 思い出しました。今はすっかり変わってしまったでしょうが…

 やがて、鮮やかな紅葉が街中でも見られるようになります。

 「アパートの壁一面の蔦紅葉」   脩巳

 学生時代、東京の亀有に下宿していた頃の光景です。
 近所のアパートの壁を覆い尽くした蔦の見事な紅葉。
 見上げる青い空とのコントラストが美しく、今でも目に残っています。

 さて、いま、来年初節句を迎える姪の娘の雛人形制作に取り組んでいます。
 これまでにも雛人形は何組も制作してきました。
 今回は、歴代の「与左右衛門雛」を3組ご紹介したいと思います。

   <その1>
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 かぐや姫がヒント。
 本物の孟宗竹をカットして乾燥後、中に金箔を貼り込み人形を設えました。
 顔は胡粉仕立て、髪は岩絵具の焼群青を使っています。
 高さは30~35センチ程。
 屏風は日本画仕立てで、金箔地に竹の葉を敷き詰めた雲形を描いてあります。
 台は黒塗り、毛氈貼り仕立てです。

   <その2>
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 羽子板雛。スナップ写真しかなくて残念ですが…
 53×45センチの金箔地パネルに、45センチ大の羽子板雛を
 背景から浮いた状態で取り付けてあります。
 頭、手は胡粉仕立て、髪は正絹すが糸、顔の表情は江戸時代の享保雛風に、
 また、着衣には明治時代の生地も使用しています。
 女雛の扇は、木製の夏の扇子を崩して小さく作り変え、金箔、銀箔、彩色を
 施してあります。
 全体的にシックな中の艶やかさを意図した作品です。

  <その3>
  DSCN2287_convert_20121101223340.jpg

 これは卯雛。高さ28センチ程。
 屏風は日本画。金箔、砂子使用で観音開き式。全開で90センチ程に
 なります。
 この雛人形は台に差し込み式になっており、固定できます。
 脇の2羽のうさぎだけ小箱に収納して、あとは屏風も立てたまま90度に折り、
 上から雛壇全体をすっぽり箱でかぶせて収納する形です。

 以上3組、今日のところはこれまでにしておきます。
 「与左右衛門雛」はまだまだありますので、次回はまた、別の人形をお見せ
 致しましょう。
 
 ご覧になっての感想をお待ちしております。


プロフィール

yosouemon

Author:yosouemon
新潟県生まれ
人形作家/画家
東京芸大日本画科卒
与左右衛門(よそうえもん)は
生家の屋号
本名 庭野脩身

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